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メイ首相の最後の審判

6月の離脱協定法案が否決された時点で党首を辞任?

2019年05月17日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆離脱を巡る膠着状態を打開するため、英国政府と労働党との超党派協議が1ヵ月にわたって続けられているが、成果の兆しは一向に見えてこない。メイ首相の越えられない一線(レッドライン)である、恒久的な関税同盟への参加を求める労働党との隔たりが大きいことは明らかであり、協議破談の可能性が日増しに高まっているのが実情である。

◆メイ首相は、5月16日に、1922年委員会の幹部と会合を持ち、離脱協定法案の採決後に、その結果(否決・可決)にかかわらず次期党首選の日程を確定させることで合意した。ただし、同会合で、メイ首相が具体的な辞任日程を明らかにしなかったことで、保守党内からは、同委員会も弱腰と非難する声が噴出している。離脱派議員の苛立ちは最高潮に達しており、保守党内からも公然とメイ首相の早期退陣を促す声が強まっている。

◆英国が欧州議会選に参加したとしても、離脱合意が可決された場合には、7月2日の初登庁日までの離脱を望むことができた。しかし、現時点での超党派協議の状況などからは、英国選出の欧州議会議員も議事に参加することが確実視されている。英国選出の議員数は73人とそれなりの影響力を持ち、今秋から始まる欧州委員会の新体制の方向性を決める上でもその一端を担うこととなる。

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