1. トップ
  2. レポート・コラム
  3. 経済分析
  4. 欧州
  5. EU離脱協定の可決は絶望的に?

EU離脱協定の可決は絶望的に?

離脱延長もEU条約不履行の可能性

2019年03月08日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆英国コックス法務長官は3月5日夜、バックストップが一時的な措置であることに関してEU側との協議を行ったものの、その会合は離脱協定に沿った明確な解決策が見出せないまま終了した。英国側はバックストップに関して新たな2つの提案をしたとされているものの、EU側はこれらを却下したという。

◆3月7日、EU側は英国に対して、バックストップに関して妥当な計画を48時間以内に提示すれば、今週末に再度検討すると、協議の仕切り直しを促している。ただし、この発言を受け、EUとの協議を行ってきたコックス法務長官は、「英国からの今までの提案は非常に明確なものであり、継続して協議を続ける。」と反論するなど、いまだ隔たりが大きい状況が露呈している。EUと英国との温度差を見る限り、3月12日までに意味のある投票での合意は難しいと言わざるを得ない。

◆離脱延長期間についてメイ首相は「6月末頃までの短期間」とのみ言及している。ただ、現時点では5月23日~26日に予定されている欧州議会選当日を越える延長はありえないとする論調も少なくない。ドイツ連邦議会の欧州部門が発表した法律意見書によれば、英国が欧州議会選に参加しないまま離脱期限が5月の選挙当日を過ぎると、英国民や、英国に居住するEU市民が議会選で投票できなくなり、欧州議会選への参加というEU条約で規定される義務から逸脱するとの見解が示されている。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加