サマリー
2016 年6月の国民投票で決まった英国のEU離脱(Brexit)は、いよいよ2019 年3月29 日に離脱期限を迎える。ところが、2018 年末に差し掛かってもなお、EUと離脱協定を締結して「円満離婚」できるのか、あるいは「合意なしの離脱」となってしまうのか決していない。
英国がどのような形で離脱するにせよ、2019 年3月29 日は通過点にすぎないと考える。英国のみならず欧州の企業業績や経済を予想する上ではるかに重要となるのは、EU離脱後の英国とEUとの新たな関係がどうなるかだが、「円満離婚」であればその話し合いは3月30 日以降が本番となる。「合意なしの離脱」の場合は3月29 日が決定的な日付となるが、このシナリオの回避が難しくなった場合、英国、EUの双方は土壇場で離脱期限の延期を選択するのではないかと考えられる。
離脱協定の合意に至るまでの紆余曲折を想起すれば、新たな通商協定に関する話し合いの決着も容易ではないと予想される。40 年以上をかけて形作られてきた英国とEUの関係を再構築するには、同等とは言わないまでも、相当に長い時間がかかることになるだろう。
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