サマリー
◆3月4日のイタリア総選挙の結果、事前の予想通り、どの会派・政党も絶対多数には至らない(どの党も過半数議席を獲得できない)ハングパーラメントとなった。下院では、政党別ではディ・マイオ党首率いるポピュリズム政党、五つ星運動が議席を伸ばし単一政党ではトップの222議席を獲得(得票率32.7%)、次いでサルヴィーニ党首率いる同盟(北部同盟から改称)が128議席(得票率17.4%)で続いた。
◆政権樹立には様々なシナリオが予想されているが、その中でも鍵を握るのは五つ星運動の動向であろう。各党ともに最大単一政党である五つ星運動を抜きにして政権樹立は不可能とみており、その一挙一動を注目している。
◆ただイタリアの連立協議はドイツの総選挙の時以上に長い時間がかかる可能性が高い。特に首相任命権は大統領が持つものの、誰を首相に任命するかの明確なルールがないことが事態を複雑にさせている。当面、マッタレッラ大統領は、上下両院での信任投票で支持される連立が確実に確保されたと判断できない限り、どの候補者も首相に指名しないとみられている。
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