サマリー
◆9月24日のドイツ連邦議会(下院)選挙でメルケル首相のCDU(キリスト教民主同盟)/CSU(キリスト教社会同盟)は予想通り第1党となったが、得票率は32.9%と伸び悩んだ。また、同じく与党の社会民主党(SPD)は第2党にはとどまったものの、得票率20.5%は1949年以降で最低である。代わって反EU、反ユーロを掲げる右派ポピュリスト政党のAfD(ドイツのための選択肢)が得票率12.6%で第3党に躍進したほか、FDP(自由民主党)、左派党、緑の党もそれぞれ得票率を伸ばした。
◆4期目を迎えるメルケル首相の最初の課題は、連立政権交渉をまとめ上げることである。CDU/CSUはAfDに加え、左派ポピュリスト政党の左派党との連立の可能性も最初から否定していたが、SPDが連立継続を拒否したため、残る選択肢はFDPと緑の党との3党による連立のみとなった。ただし、環境政策、難民政策、対EU政策などで各党の隔たりが大きく、交渉は長引くと見込まれる。なお、3党の連立交渉が決裂した場合、メルケル首相は少数与党政権の樹立や再選挙ではなく、SPDとの連立を試みると考えられる。
◆フランスのマクロン大統領は、ドイツで安定した政権が誕生し、独仏が一致してEU改革のリーダーシップを取ることを望んできた。しかしながら、4期目のメルケル政権の始動までしばらく待たされることになっただけでなく、マクロン大統領のEU改革案に懐疑的なFDPが連立政権に参加する可能性が高まっている。ドイツで反EU、反ユーロの意見はまだまだ少数派だが、ドイツの選挙が終わればEU改革にはずみがつくとの期待は不発に終わりそうである。
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