ドイツ総選挙の注目点

続投が見込まれるメルケル首相の連立相手は?

RSS

2017年09月12日

サマリー

◆9月24日のドイツ連邦議会(下院)選挙ではメルケル首相のCDU(キリスト教民主同盟)/CSU(キリスト教社会同盟)が第1党となり、同首相が4期目を迎える公算が大きい。世論調査でCDU/CSUはほぼ一貫して支持率1位の座にあり、ここ数カ月は40%近い支持率を維持している。


◆ただ、CDU/CSUのみで議会の過半数を制するには至らないと予想されるため、総選挙の結果でまず注目されるのは、CDU/CSUと連立を組むのがどの政党になるかである。CDU/CSUにとって意中の相手は、西ドイツ時代から数えれば最も長期にわたって連立を組んできたFDP(自由民主党)である。しかし、第3党争いは混戦模様で、FDPとの連立では過半数に届かない可能性が高い。その場合、緑の党を加えた3党連立が検討されようが、環境政策で合意するのは難しいと予想される。消去法で現在の連立相手であるSPD(社会民主党)との連立が継続されることになろう。この組み合わせは、経済・財政政策の継続性という点で安心感がある。また、フランスのマクロン大統領と共にEUのリーダーシップを取るべきドイツで安定した政権が誕生することが望ましい。


◆なお、反EU、反ユーロを掲げる右派ポピュリスト政党のAfD(ドイツのための選択肢)は、第3党としてドイツ連邦議会で初めての議席を獲得する可能性がある。ただし、他の政党はいずれもAfDとの連立の可能性を否定しており、影響力は限られよう。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。