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オランダ議会選のリスクシナリオ

ポピュリズム政党の躍進でドル調達が困難に?

2017年03月09日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆長年にわたり、国外からの関心を殆ど集めなかったオランダの議会選挙がここまで注目されているのは、まぎれもなく反EU、移民排斥のラディカルな政策を掲げる極右政党である自由党の支持率の高さからであろう。第1党に躍り出ることも予想されている同党のウィルダース党首は、オランダのドナルド・トランプともいわれ、メディア不信やツイッター偏重など共通点も多い。


◆2016年8月に発表された自由党のマニフェストは11項目からなるわずか1枚であり、刺激的なスローガンの寄せ集めにすぎず、実際の政策運営がどのようになるかは見えてこない。ウィルダース党首はマニフェスト発表にあたり「数百万のオランダ国民は祖国がイスラム化されていくのに嫌気がさした。大量の移民・難民の流入、多発するテロや暴力、不安はもうたくさんだ」と政治的公正さを欠く発言をツイートし、物議を醸した。


◆米国の利上げ局面ではエマージング市場からの資金流出なども懸念され、ドルのヘッジコストの上昇が重荷となることは否めない。そのため足元では、公的年金やソブリン・ウェルス・ファンドなどは、ドルヘッジを控える(先物・通貨スワップ市場でドル売りを控える)ことでドルの放出を抑制しつつある。そのような中、ポピュリズム政党の躍進による政治リスクの高まりでドル回帰の流れが重なるなど、ドルの供給不足に拍車が掛かりつつある。


◆今回の選挙で、ブレグジット以降、さらなるドル調達の中心市場を目指す英国金融街シティへの影響など思いがけない効果も期待される。ドル調達難に直面する金融機関が増える一方、今までシティでのドル調達市場に参加していなかった第三国の地方銀行などのプレーヤーの増加も見込まれる。

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