サマリー
2016年は6月に英国のEU離脱(Brexit)決定という番狂わせが起きた。これは英国とEUの関係の再定義を迫るだけでなく、戦後60年以上推進されてきた欧州統合という理念に疑問を突き付けた政治ショックである。今のところ欧州経済に目立った悪影響はないが、離脱交渉がまだ始まってすらいない中で、企業も家計もBrexitの影響を計りかねている。
Brexitに続き、米国ではトランプ新大統領が選出され、イタリアでは国民投票の否決でレンツィ首相(当時)が辞任に追い込まれた。一連の投票結果は、従来型政治に強い不満や不信感を抱く有権者が大きな勢力になっていることを印象付ける。2017年にオランダ、フランス、ドイツで国政選挙が相次ぐ欧州で、さらなる連鎖反応が起きるか注目される。
2017年は1月にトランプ大統領が就任し、3月末までに英国がEUへの離脱通告を予定している。2016年の番狂わせがどのような政策に反映され、いかなる変化をもたらすかの手掛かりをようやく得られるはずである。これまでの価値観や共通認識が変容する局面に入った可能性があるが、その変化の方向性を冷静に判断することが重要となろう。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 引き続きインフレに警戒
猛暑で高まるインフレ上振れリスク
2026年08月25日
-
4-6月期ユーロ圏GDP 原油高でも底堅く成長
実質GDP成長率は前期比+0.4%と市場予想から上振れ
2026年07月31日
-
欧州経済見通し 中東情勢に一喜一憂
ECBの追加利上げの可能性が高まる/英国ではバーナム政権が始動
2026年07月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

