サマリー
◆6月23日に英国で国を二分するEU残留の是非を問う国民投票が実施され、過半数を集めた離脱派の勝利が確定した(離脱51.8%、残留48.2%:英国時間6月24日午前6時30分現在)。世界中が注目した国民投票当日は、英国各地で強い雨や雷などの悪天候となった。ロンドン市内では一部で道路が冠水し、投票所が変更されたケースも報告されている。
◆国民投票の結果、EU離脱が選ばれた中、焦点はキャメロン首相がいつリスボン条約50条の行使を行うかにある。キャメロン首相は再三、離脱が選ばれても任期を全うすると発言しており、どの様なプロセスで離脱処理を行うか注目される。
◆また他のEU加盟国で英国と同様に国民投票を行う機運が高まり、EU離脱の動きがドミノ的に波及する可能性が高くなっている。特にイタリアの反体制政党である5つ星運動のリーダーであるグリッロ氏は、EU残留の是非を問う国民投票の実施を要請している。またオランダの世論調査でも過半数が同様に国民投票実施を希望し、フランスのルペン党首率いる国民戦線も実施を画策している。
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