マイナス金利の評価に揺れる中銀総裁

ECBの追加緩和は欧銀経営を救えるか?

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2016年03月10日

サマリー

◆2月のユーロ圏の消費者物価指数は、前年同期比でマイナス0.2%と予想外の低下に転落した。ECBのドラギ総裁は、前回の政策理事会後の会見で、原油価格の低迷よりも再度デフレに向かう動きに注視すると発言していたため、さらなる緩和を支持する理事の意向が採用される可能性が高い。


◆注目されるのは、マイナス金利導入国のスイス、スウェーデン、デンマークの中銀総裁からマイナス金利の副作用に関する発言が増加していることであろう。特にスウェーデン中銀が、インフレ目標はそれほど重要でないとの見解を示していることは重要な事実として認識すべきだろう。2016年1月のECB政策理事会後の会見で、インフレ目標を必ず達成すると断言したドラギ総裁とは好対照の態度といえる。


◆欧州の株式市場は2月から比較すると落ち着きを取り戻し、景気後退の不安が一旦沈静化している。ただし欧州銀行の経営不安に関しては払拭された感があるにもかかわらず、未だ銀行株を含む全体の株価は戻ってきていない。これはマイナス金利が有害無益な政策となることへの恐れが認識されつつあり、各国中銀が手詰まり状況に陥ることへの警戒の表れともいえる。

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