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欧州金融見通し ECBは国債の量的緩和に踏み込まず

第1の矢(量的緩和)より第2の矢(財政出動)が課題か

2014年12月05日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆12月4日、欧州中央銀行(ECB)は定例の理事会を開き、政策金利である主要オペ金利を0.05%に据え置く決定をした。また同様に、上限政策金利である限界貸出金利および下限金利である中央銀行預金金利をそれぞれ0.3%、マイナス0.2%と据え置いている。注目された社債・国債等の買い入れによる量的緩和の導入は、前回の理事会と同様先送りとなった。


◆ドラギ総裁の会見では、量的緩和に慎重な姿勢を貫くその他の理事会メンバーとの確執が再燃した印象も残した。域内で量的緩和に対するコンセンサスが思うように取れないドラギ総裁の焦りと、手詰まり感だけが強調された格好だ。


◆デフレ対策として、ECBの追加緩和の話題が先行しているが、金融緩和政策だけでは景気刺激策として限界がある。特に(アベノミクスで例えると)第2の矢である財政政策において各国の協調した動きが重要ともいえる。しかし欧州委員会内では、域内で政治的な決着をつけることが難しいことを理由に、財政統合等に関する議論は冷え切っており、既に統合自体を諦めている雰囲気すら漂わせている。


◆一方、詳細は未だ発表されていないが、欧州委員会内では、新しい統合のシンボルとして、資本市場同盟の創設が注目されている。資本市場同盟とは、ユンケル委員長就任前の声明(7月15日)でフォーカスする政策10分野の中にも含まれており、欧州の資本市場を統合し、域内へ投資資金等を呼び込もうという政策である。

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