サマリー
◆2014年のユーロ圏経済は2013年半ばに始まった緩やかな景気の持ち直しが継続するとみている。GDP成長率は2013年の-0.4%(推定値)から2014年は+0.9%へ転じると予想する。景気回復を牽引するのは内外需の回復が見込まれるドイツで、これに中東欧諸国や、オランダ、ベルギー、オーストリアなどドイツの近隣諸国が追随しよう。一方、スペイン、イタリアなど財政再建に取り組んでいる国々は、過去3年と比較して財政政策による景気下押し圧力は一段と軽減されるが、景気回復は遅行すると予想される。
◆ユーロ圏の2014年の消費者物価上昇率は+1.3%と2013年の+1.4%(推定値)からほぼ横ばいの低インフレを予想する。スペイン、ポルトガル、ギリシャなどは競争力強化を目的に雇用コスト削減に取り組み、それが物価低下につながっている。ただし、失業率低下が続くドイツでは賃金上昇率の加速が見込まれるほか、フランスやイタリアでは必要とされる構造改革の進展が遅く、物価下落の原因となるほど賃金上昇率が落ち込む可能性は低いと予想される。ECB(欧州中央銀行)は物価、景気、それにマネー動向をにらみつつ、2014年も金融緩和政策を継続することになろう。
◆2014年の英国のGDP成長率は2013年の+1.4%(推定値)から+2.1%への加速を見込んでいる。住宅市場回復を背景に、個人消費と住宅建設投資が牽引役となろう。2014年の消費者物価上昇率は+2.3%と2013年の+2.6%(推定値)からやや減速し、BOE(英中銀)の政策金利は2014年末まで0.50%で据え置かれると予想する。ただ、失業率が想定を上回るペースで改善してきたように、英国の内需回復は上振れする可能性があり、それがインフレ先高観を醸成することになると、金融緩和政策の転換のタイミングが早まる可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 仏財政不安、長期化の覚悟
国民世論の二極化で、決められない政治が続くリスクが高まる
2026年10月22日
-
欧州経済見通し 足元堅調もリスクは下向き
長引くインフレリスクと強まる金利上昇圧力
2026年09月17日
-
欧州経済見通し 引き続きインフレに警戒
猛暑で高まるインフレ上振れリスク
2026年08月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

