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バーゼル規制はユーロ圏の金融政策に影響するのか?

レバレッジ比率規制改正案、レポ市場への影響

2013年08月15日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆欧州の銀行では、バーゼルⅢでのレバレッジ比率規制改正案の発表を受け、新たなデレバレッジの機運が高まりつつある。ただし圧縮する資産の中心は、規制強化の本来の意図である証券金融取引(SFT)ではなく、各行の資本コストに見合わない中小企業向け融資や未使用のコミットメントラインとなる可能性もある。


◆今回の改正案で最も懸念されているレポ取引に対して、シティでは大規模なアンワインド(巻き戻し)はいまだ確認されていない。欧州に拠点がある金融機関はレポ取引に与える影響調査を急ぐ一方、他行が、いつ、どこでレポ取引を縮小させるかを見定めているのが真相のようだ。


◆特に欧州中央銀行(ECB)により実施された3年長期資金供給オペ(LTRO: Long Term Refinancing Operation)  は、調達資金の増加に加えて証券金融取引として認識されるため、レバレッジ比率を大幅に低下させるといわれる。欧州の銀行は、バランスシートを膨張させる余剰資金の縮小に向けてLTROの早期返済が加速する可能性も否定はできない。そうなれば本来の規制の意図から外れた形で、ユーロ圏の金融政策へ思わぬ副作用が働くことを意味する。

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