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複雑すぎるバーゼル規制に再考の流れ

異次元緩和にも影響か?

2013年07月24日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆複雑すぎるバーゼル規制を再考する流れが進んでいる。発端は、2013年7月8日、バーゼル銀行監督委員会のイングベス総裁が「既存の規制枠組みの複雑さについて現在行われている議論を十分に認識している」との声明を発表し、過去のバーゼル規制が行き過ぎた内容であったことを示唆したことにある。


◆単純な計測への回帰として、新たな“ものさし”として検討されているのがレバレッジ比率である。ただし6月26日に発表されたレバレッジ比率の改正案では、レポ取引等の証券金融取引(SFT: Securities Financing Transaction)を多用する投資銀行にとっては厳しい規制内容に変更される可能性を示唆した。大和総研の試算では、改正案では国債を利用したレポ取引を行うことで、当初案と比較して分母がおよそ1.5倍増加し、レバレッジ比率を押し下げる効果が確認されている。


◆改正案の発表により、シティでは、いくつかの投資銀行がレポ調達やコミットメントライン等の見直しを通じて、欧州債務危機以降ようやく沈静化していたデレバレッジの流れが再度加速するとの見方が優勢だ。さらに、異次元緩和中の日本においても、中央銀行向けのエクスポージャーがレバレッジ比率を低下させる恐れも指摘される。オフバランス項目に対する資本不足を明らかにさせるレバレッジ比率規制は、新たなシャドーバンキング規制の一環として、G20金融サミット等でもその行方が注目されるであろう。

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