サマリー
◆トルコ情勢が揺れている。発端はインスタンブール近郊にて行われていた環境団体のデモ行進であるが、それが過熱し、5月31日に警官隊と衝突した。デモは、現与党のエルドアン政権に反対する市民も巻き込んだ抗議活動に発展しており、状況は悪化の一途をたどっている。
◆過去、トルコ政府は政教分離を念頭に置いた政治体制であったが、現与党、エルドアン首相率いる公正発展党(AKP)が「イスラム化」を推進。今回は、それに反対する西欧文化への帰属を求める若者によるソーシャルネットワークを通じたデモ呼び掛けも加わり、「アラブの春」の再来とも目されている。
◆トルコでは、オリンピックへの誘致活動や、EUへの加盟期待などもあり、近年、株式市場は過熱気味であった。リーマン・ショック以降の新興国ブームにより注目度も高く、グローバルアロケーションの一環で多くの資金が流入していたことの反動もある。マーケットが沈静化するには、政治的な安定が不可欠であり、それがなければ、調整が長引く可能性も考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
0.50%への利上げが家計・企業に与える影響
家計では「30~40代」の世帯、企業では「中小」で負担が大きい
2025年01月22日
-
CISA が初の国際戦略を発表
DIR SOC Quarterly vol.10 2025 winter 掲載
2025年01月22日
-
「103万円の壁」与党改正案の家計とマクロ経済への影響試算(第4版)
71万人が労働時間を延ばし、個人消費は年0.5兆円拡大の見込み
2025年01月21日
-
欧州サイバーレジリエンス法(EU Cyber Resilience Act)の発効
DIR SOC Quarterly vol.10 2025 winter 掲載
2025年01月21日
-
Scope3排出量の削減目標達成にカーボンクレジットは使えるようになるのか?
2025年01月22日
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
「トランプ関税2.0」による日本経済への影響試算
中間財の出荷減や米国等の景気悪化で日本の実質GDPは最大▲1.4%
2024年12月18日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第3版)
様々な物価・賃金指標を用いる案および住民税分離案を検証
2024年12月04日
-
長寿化で増える認知症者の金融資産残高の将来推計
金融犯罪を含む金融面の課題やリスクへの対応も重要
2024年12月20日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
「トランプ関税2.0」による日本経済への影響試算
中間財の出荷減や米国等の景気悪化で日本の実質GDPは最大▲1.4%
2024年12月18日
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第3版)
様々な物価・賃金指標を用いる案および住民税分離案を検証
2024年12月04日
長寿化で増える認知症者の金融資産残高の将来推計
金融犯罪を含む金融面の課題やリスクへの対応も重要
2024年12月20日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日