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英国首相のスピーチ

EU脱退の現実味を問う

2013年01月31日

金融調査部 金融調査部長 児玉 卓

ロンドンリサーチセンター 研究員 沼知 聡子

サマリー

◆英国のデービッド・キャメロン首相は1月23日のスピーチで、同国のEU残留・脱退を問う国民投票(in-out referendum)の実施を提案した。二者択一というシンプルさゆえに英国民には少なからぬサプライズを与えた。


◆首相自身はEU残留を志向している。そうであればシンプルなin-out referendumは危険な賭けである。EU脱退の可能性を封じる上ではスピーチ自体を回避すべきだったであろう。しかし、英国の政治力学、社会的ムードがそれを許さず、首相はスピーチに追い込まれたのである。


◆失地挽回を目指す政治戦略としてみれば、首相のスピーチは成功であった。しかし、これが英国のEU脱退の可能性を減じさせたとは評価しがたい。EUとの「新たな合意」を結ぶための交渉が難航を極め、英国に多くの妥協を要求するであろうことは、ユーロ圏危機をめぐるEU政治が示唆する通りである。英国民はこれに耐えることができるのだろうか。

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