サマリー
◆2013年秋より、英国では社会福祉制度改革の一環として、新しい社会保障給付制度「ユニバーサル・クレジット」が本格導入される。複雑な給付制度を整理統合し、就労インセンティブを強化した制度だが、懸念を表明する向きも多い。
◆給付をオンラインで申請、管理するなど制度の効率化を目指すが、新しい情報システムへの不安や、当初の予算を大幅に上回る運営コストなど、前途は容易ではない。ユニバーサル・クレジット導入の実効性について、今後が注目される。
◆生活保護受給者の増加が懸念されている日本では、英国のような福祉制度への依存を生み出さないことが最大の課題となる。また、潜在的な受給者の増加傾向が否めないことから、非効率を最大限排除するといった制度設計が必要となるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 成長再加速の兆し
景気の下振れリスク緩和でECBの追加利下げ観測は後退
2025年11月25日
-
7-9月期ユーロ圏GDP 緩やかな成長が継続
フランスの成長ペースが加速し、市場予想からはわずかに上振れ
2025年10月31日
-
欧州経済見通し フランスの政治不安は一服
ただし予断は許されず、予算協議が次の焦点
2025年10月21日

