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ユーロ悲観論の誤算:何のための財政協調か?

市場のストレスが緩和する一方、社会的ストレスが高まるか

2012年02月01日

金融調査部 金融調査部長 児玉 卓

サマリー

◆1月30日のEUサミットは昨年後半のような危機感の高まりを伴わずに開催された。ECBの長期資金供給(LTRO)が想定以上の市場沈静化効果を発揮していることが効いている。EU25カ国で締結されることになった新財政協定が、ユーロ圏の財政統合へのプロセスの一環と位置づけられつつあることも、危機感の低減に貢献している。

◆確かに、LTROは一時期危機沈静化に不可欠と考えられていたECBによる周縁国国債の無制限買い入れを代替する効果を挙げている。市場のストレス抑制は、比較的持続性が見込めよう。ただし、新財政協定が周縁国経済にとって劇薬であることに変わりはない。政権交代直後の周縁国政府が緊縮策に積極的なこともあり、当面は市場の反乱ではなく市民の反乱に注意が必要である。

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