ギリシャ危機対応の行方

銀行の資本増強と欧州支援基金の増額が緊急課題

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2011年10月12日

サマリー

◆ギリシャ危機への欧州の対応は7月に第2弾支援を決めたあと、むしろ混迷の度合いを深めていが、当面の資金繰りのめどがようやくたった。第6次融資の80億ユーロは11月初めに支払われる見通しで、また第2弾支援の批准手続きも大詰めを迎えている。

◆ただし、問題はすでにそこにはなく、より抜本的な対応策、すなわちギリシャに公務員の大幅削減等の構造改革を迫る一方で、ギリシャの「秩序的なデフォルト」の可能性を探る段階に入っている。ギリシャの債務再編を実現させるには、財政破綻懸念が他のユーロ圏諸国や銀行に大きなダメージとなることを回避する必要がある。独仏政府が10月下旬にも公表するとしている「包括的な対応策」に、その備えとしての銀行の資本増強、欧州支援基金の増額などがきちんと盛り込まれるかが最大の注目点となる。

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