インドネシア:産業の高度化は可能か

次期政権では、ジョコ路線の踏襲だけではなく独自色が必要

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2024年02月16日

サマリー

◆2024年2月14日に投開票されたインドネシア大統領選挙では、現国防相のプラボウォ氏が当選したとの見方が大勢である。同氏は、ジョコ現大統領が掲げてきた経済政策を継承すると明言している。

◆インドネシアは、資源依存度の高さを理由に、「フラジャイル5」の一つとされた過去がある。資源依存からの脱却が長年の課題である中、近年、鉱物資源の加工産業を育成し、産業構造を高度化する試みがある。その効果は、ここ数年、インドネシアの投資と輸出構造に変化をもたらしている。

◆ただし、輸出品の多くは、ニッケル鉱石を精練して製造した鉄鋼関連製品等、付加価値がそれほど高くなく、雇用機会の拡大につながりにくい品目がまだ多い。この政策による恩恵を幅広く波及させ、一人当たりGDPの底上げにつなげるためには、より付加価値の高い産業の育成が必要だ。ジョコ現大統領・プラボウォ氏はともに、国産ニッケルを使ったバッテリーの製造やそれを搭載した電気自動車(EV)の国内生産・輸出を目指している。

◆次期政権では、産業構造の高度化に向けたロードマップの作成、外資の取り込みと国内産業保護とのバランスへの配慮、投資環境整備の加速、投資元・輸出先の多様化の4点において、独自色を見せられるかに注目したい。

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