サマリー
◆米国・イラン関係の先行きを見通すことは難しいが、金融市場の動揺はしばらく継続するリスクがある。それは当然実体経済にもマイナスであり、とりわけ新興国の被害が大きくなる。
◆供給ショックに起因する原油価格上昇は、単なる所得移転にとどまらず世界経済にネットでダメージを与える。それは再度金融市場をリスク回避的として、新興国からの資本流出圧力を高める可能性がある。
◆2019年から持ち越された世界経済、新興国経済の頭痛の種の一つが、ブームとさえいえそうな反政府デモの頻発であった。それは当該国・地域の経済政策を左傾化させる要因であるが、リスク回避的な金融環境が継続すれば、そうした各国政府のビヘイビアが債務問題の再燃を引き起こす可能性を高めることにもなる。IMFなどは2020年の世界経済回復を想定してきたが、その実現のハードルは一段引き上げられたと思われる。
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