新興国経済ニュースレター(2019年10月)

製造業と非製造業のデカップリングが世界を救う?

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2019年10月04日

  • 児玉 卓

サマリー

◆世界的に製造業の景況感が悪化している。この状況が早期に収束することは期待しがたいが、先進国においては製造業と非製造業とのデカップリングにより、極端な景気悪化は回避されると思われる。もっとも、この構図は製造業を成長のドライバーとしている新興国には当てはまらない。貿易停滞が長期化すればするほど新興国の不利が明確化しよう。

◆このところ新興国でも広くインフレ率が低下している。これが利下げモードを継続させる一つの背景になっているが、新興国の金融政策は外部環境次第の面がある。世界的な景況感が悪化するなどして為替防衛の必要から金利引き下げが困難になった時、新興国におけるディスインフレは実質金利を引き上げるという副作用をもたらす可能性がある。

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