サマリー
◆米中貿易摩擦の影響を受けて世界経済の減速が続く中、アジア新興国10カ国(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、インド、バングラデシュ)は経済成長率が鈍化傾向にある。景気減速の主因は、輸出の伸び悩みあるいは減少である。
◆米中貿易摩擦が深刻化・長期化する中、米国の対中輸入は減少している一方で、アジア新興国からの輸入はベトナムを筆頭に増加している。迂回貿易による輸入も相当程度含まれている可能性はあるが、中国以外の国にも拠点を整備することで対中追加関税の影響を軽減しようとする企業も現れてきている。
◆追加関税発動後、米国や日本から中国への投資は減少している一方で、アジア新興国への投資は増加している。ベトナムやタイ、ミャンマーを中心に、中国からアジア新興国への投資も急増しており、米中貿易摩擦によって日本や中国企業のアジア新興国に対する関心や期待が高まっている様子がうかがえる。
◆米中貿易摩擦が長引き、中国経済の減速が続いた場合、アジア新興国における輸出や景気にさらなる悪影響を及ぼすことが懸念される。こうした中で、アジア新興国への投資が拡大し続けるかは、今後の成長性に大きな意味を持つ。国内改革への取り組みが持続的な投資導入を左右すると考えるため、直接投資の恩恵を享受する国として今後機能していけるかどうか、各国政府の手腕が問われている。
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