新興国経済ニュースレター(2019年8月)
再度の「金融緩和 vs 米中摩擦」
2019年08月02日
サマリー
◆再度世界は米国から金融緩和という飴と対中圧力という鞭を与えられた格好だ。鞭の痛みは警戒しておくべきだが、必ずしも振り下ろされるとは限らない。一方、飴の甘さもいつまでも続くものではないかもしれない。金融市場は米国を起点とした金融緩和の実体的効果を過大評価してきた可能性があり、その反動が世界経済、特に新興国には脅威となり得る。
◆中国が直面するのは製造業の競争力を支える諸条件の悪化であるが、より長期的には、「投資から消費へ」という戦略が破たんしつつあるという側面がある。投資偏重是正のための最低賃金引き上げが、世界の工場の寿命を縮めてしまった。それが現在の政策的ジレンマを深めてもいる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年05月24日
人的資本経営の実現に向けた5ステップ
-
2022年05月20日
2022年4月全国消費者物価
携帯電話通信料引き下げの影響が縮小しコアCPIは前年比+2.1%に
-
2022年05月20日
内外経済とマーケットの注目点(2022/5/20)
米国の個人消費は底堅いとみられるが、日米企業の収益環境に要注意
-
2022年05月19日
2022年3月機械受注
大型案件が押し上げも基調は足踏み継続
-
2022年05月24日
ESG投信のウォッシュ問題
よく読まれているリサーチレポート
-
2022年03月22日
日本経済見通し:2022年3月
ウクライナ情勢の緊迫化による日本・主要国経済への影響
-
2022年01月24日
円安は日本経済にとって「プラス」なのか「マイナス」なのか?
プラスの効果をもたらすが、以前に比べ効果は縮小
-
2022年03月23日
ロシアのウクライナ侵攻で一気に不透明感が増した世界経済
-
2022年02月10日
ロシアによるウクライナ侵攻の裏側にあるもの
ゼレンスキー・ウクライナ大統領の誤算
-
2022年03月17日
FOMC 想定通り、0.25%ptの利上げを決定
ドットチャートは2022-24年にかけて、計10.5回分の利上げを予想