サマリー
◆2019年に入り、新興国は比較的良好な外部環境の中で、景気回復への素地を築きつつあった。しかし米中摩擦の再燃は、この流れを一気に変えてしまう可能性を持つ。特に、中国景気底入れ期待が霧散すれば、金融市場は再度、世界経済減速を織り込み始める可能性がある。それは新興国通貨安圧力を高め、金融緩和モードの撤回につながろう。
◆トルコでは経済のほころびを政治が深刻化させるというおなじみの光景が繰り広げられている。問題の本質は、経済成長が権威主義的政権に正統性を付与するという図式が壊れつつあることだろう。同国の混迷は長引きそうである。
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