サマリー
東南アジア各国は、アジア通貨危機以降、セーフティネットの構築、対外収支の改善、為替制度の変更等、大きな変革を推し進めてきた。リーマン・ショックの影響が軽微にとどまったのも、各国が蓄えた耐久力の効果の一つである。
それにもかかわらず、先進国発の外部イベントが持ち上がるたびに、大規模な資本流出懸念が市場を渦巻く。例えば、テーパー・タントラム、人民元切り下げなどをきっかけに、自国通貨に下落圧力がかかったインドネシアがその例である。この例からは、市場が、アジア地域全体を一括りに脆弱であるとみるのではなく、より各国経済のファンダメンタルズに注目するようになったことが示唆される。
本稿では、現在潜んでいるリスクとして、各国の民間債務残高に着目するとともに、制度構築が遅れているベトナムのケースを挙げている。マクロプルーデンス政策の整備と、対外的なリスクに備えた域内の金融連携は、今後重要な課題となるだろう。

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