サマリー
◆一帯一路が初めて提唱されてからこの3年間でパキスタンや中央アジア、東南アジアなど中国と地理的に近い地域を中心に幅広い種類のプロジェクトが進展した。
◆マクロ統計から見れば、中国が一帯一路をきっかけに沿線国との経済的関係を格別に深めているとは言い切れない。背景の一つとして、一帯一路は新しい構想ではなく、中国が従来から沿線国で進めてきた各種プランを統合・強化する位置付けである点が指摘できる。
◆アジアインフラ投資銀行(AIIB)やシルクロード基金等の支援機関も設立された。ただ、これらの金融機関が世界銀行・IMF・ADBといった欧米・日本が運営を事実上主導している国際機関と必ずしも競合するとは限らない。特にAIIBは第一号案件に入った4つのプロジェクトのうち3つで世界銀行やADB等といった国際金融機関と協調融資をする形を取っている。当面の間、AIIB等は既存の金融機関と時には競合、時には協調といった関係を取り続ける公算が大きい。
◆今後、一帯一路を一層進展させるに当たっての焦点は中国政府がプロジェクトの運営・管理体制の不備や安全保障面での摩擦をいかに緩和できるかであろう。
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