サマリー
◆最近の新興国悲観論には行き過ぎの面もあるが、中期的な成長率に対する慎重な見方が増えていることには相応の根拠がある。実際、2000年代の「新興国ブーム」は出来過ぎであり、その再現の可能性は低い。
◆「ブーム」期の特徴は、新興国全体の経常収支の黒字拡大と投資主導型高成長が並存したことである。それを可能にしたのが、資源・一次産品価格の上昇、そして中国の高成長であった。その前提が崩れている。
◆中国の成長鈍化はアジアの後発国の飛躍に道を開く面もある。新興国全体の中期的成長に対し、過度の悲観は不要であろうが、ある程度の鈍化は免れない。そこで重要となるのは、偏在する外貨準備の有効活用を通じた、グローバルなセーフティネットの継続的強化である。
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