新興国マンスリー(2013年3月)新興国経済は再活況へ待ちの姿勢
~イタリア・ショックは吸収可能か~
2013年03月05日
サマリー
◆2月以降、多くの新興国通貨が下落している。イタリア政局の不透明感などが、ユーロ圏危機再燃に対する懸念を惹起し、金融市場のリスク回避の動きにつながった模様だが、イタリアは「明日のカネ」に困っているわけではなく政策調整の余地は大きい。これに起因する新興国通貨下落が深刻化、長期化する可能性は限定的だろう。
◆昨年までの新興国経済の減速、停滞は、その先進国経済とのリンケージの強さ、従って自律性の乏しさを反映している。新興国経済が再度活況を迎える際には、先進国からの資本流入、通貨の増価が生じることが予想されるが、先のG20における「通貨戦争」論議の静かさは、新興国経済の明確な拡大の機が熟していないことの反映であるともいえよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年05月25日
肥大化する業務
その業務は利益に貢献しているのか
-
2022年05月24日
欧州経済見通し まとわりつく負のオーラ
ウクライナ侵攻の長期化によって、不透明さを払拭できず
-
2022年05月24日
日本経済見通し:2022年5月
経済見通しを引下げ/サービス消費等の「伸びしろ」が景気を下支え
-
2022年05月24日
中国:ゼロコロナ政策下の中国経済の行方
年後半は明確に回復も22年は4.5%程度の実質成長にとどまると予想
-
2022年05月25日
「制度」と「執行」の狭間にある闇
よく読まれているリサーチレポート
-
2022年03月22日
日本経済見通し:2022年3月
ウクライナ情勢の緊迫化による日本・主要国経済への影響
-
2022年01月24日
円安は日本経済にとって「プラス」なのか「マイナス」なのか?
プラスの効果をもたらすが、以前に比べ効果は縮小
-
2022年03月23日
ロシアのウクライナ侵攻で一気に不透明感が増した世界経済
-
2022年02月10日
ロシアによるウクライナ侵攻の裏側にあるもの
ゼレンスキー・ウクライナ大統領の誤算
-
2022年03月17日
FOMC 想定通り、0.25%ptの利上げを決定
ドットチャートは2022-24年にかけて、計10.5回分の利上げを予想