サマリー
◆2月以降、多くの新興国通貨が下落している。イタリア政局の不透明感などが、ユーロ圏危機再燃に対する懸念を惹起し、金融市場のリスク回避の動きにつながった模様だが、イタリアは「明日のカネ」に困っているわけではなく政策調整の余地は大きい。これに起因する新興国通貨下落が深刻化、長期化する可能性は限定的だろう。
◆昨年までの新興国経済の減速、停滞は、その先進国経済とのリンケージの強さ、従って自律性の乏しさを反映している。新興国経済が再度活況を迎える際には、先進国からの資本流入、通貨の増価が生じることが予想されるが、先のG20における「通貨戦争」論議の静かさは、新興国経済の明確な拡大の機が熟していないことの反映であるともいえよう。
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