開放型の貿易・投資政策を柱とするアセアンの経済発展戦略と今後の課題

『大和総研調査季報』 2012年夏季号(Vol.7)掲載

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2012年09月03日

  • 佐藤 清一郎

サマリー

1990年以降の本格的な経済グローバル化の中で、アセアンは、おおむね順調な経済発展を遂げてきている。90年代初めの域内関税撤廃は、日本企業を中心としたアセアン域内の最適生産ネットワークの構築を促し、域内経済の効率化・活性化に寄与した。また、2000年半ば以降の、中国、韓国、日本、インド、オーストラリア・ニュージーランドとの二国間自由貿易協定の締結は、これらの国々との関係強化につながっている。

アセアンの対外政策は基本的には開放型で、海外のノウハウや技術を有効活用し成長へとつなげている。おおむね良好な経済状況にあるが、さらなる成長に向けては課題も多い。主なものとして、法制面での透明性・信頼性の確立、脆弱な金融システムの強化や未発達な金融市場の整備、域内経済格差の是正、省エネ対策、域内安全保障バランスの維持等を指摘できる。域内コネクティビティという考え方は、この課題に対して、ある程度の答えを出すと思われるが十分ではないだろう。

日本としても、アセアン地域への積極的な直接投資による生産ネットワークの構築・拡充への取り組みはもちろん、それに加えて、金融・制度面・人材育成など多面的なサポートに官民挙げて取り組むことが、今後ますます重要となるであろう。

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