サマリー
◆2011年来の新興国経済の減速は、総じて新興国が保持する景気拡大のエンジンが弱い、ないしは外部環境の悪化がそのエンジンを宝の持ち腐れとする傾向が強いことを示してきた。そのような中では、良くも悪くも世界経済の転換の鍵を握っているのは先進国、およびグローバル市場の影響を受けにくい中国とならざるを得ないが、ユーロ圏危機の長期化が必至である以上、実質的には米中が世界経済の方向性を決めることとなろう。両国の景況感が明らかな改善に向かえば、外部環境の好転から新興国は政策の自由度を取り戻すことができるようになる。いずれにせよ、新興国全般の景気停滞はもうしばらく続くとみざるを得ない。
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