サマリー
◆アジアの経験は、日本に始まり中国、インドに至る成長の連鎖が、人口構成の変化を伴っていたことを示している。平均年齢の上昇が一定地点まで(少子高齢化が始まるまで)生産年齢人口比率の上昇を伴い、その中で、高度成長の機会が生まれる。現時点のアジアの所得水準を順位付けたとき、やはり年齢構成の成熟度に比例していることが確認できる。
◆この経験を当てはめにくいのが中東欧諸国である。中東欧諸国は自由な人口移動や市場メカニズムに応じた産業立地が抑圧されていたために、国によっては所得水準の上昇を伴うことなく老いてしまった。そのような国には、今後のキャッチアップを期待することも難しい。欧州新興国の中での顕著な例外はトルコである。同国は、人口構成の若さを今後の潜在力の重要な手がかりとみなすことができる。
◆この経験を当てはめにくいのが中東欧諸国である。中東欧諸国は自由な人口移動や市場メカニズムに応じた産業立地が抑圧されていたために、国によっては所得水準の上昇を伴うことなく老いてしまった。そのような国には、今後のキャッチアップを期待することも難しい。欧州新興国の中での顕著な例外はトルコである。同国は、人口構成の若さを今後の潜在力の重要な手がかりとみなすことができる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
尹大統領の罷免決定、不動産問題が選挙のカギに
賃借人保護の不動産政策を支持する「共に民主党」の李在明氏が、大統領選挙で一歩リードか
2025年04月24日
-
トランプ関税のアジア新興国への影響と耐性は?
製品によって異なる影響。対外的な耐性は十分もインドネシアに注意
2025年04月16日
-
トランプ2.0、資源面でアジアに恩恵も
米国産LNGがエネルギー移行を促進・重要鉱物の代替供給地になるか
2025年03月26日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日