中国:米国の対中追加関税率は累計104%→145%、中国経済への悪影響はほぼ変わらず

中国は交渉(ディール)の用意があることを示唆

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2025年04月11日

サマリー

◆米トランプ大統領は2025年4月9日、中国からの輸入に対する追加関税率を2月からの累計で145%に引き上げるとした。中国の実質GDPに対する悪影響は、累計追加関税率104%(▲2.84%)でも145%(▲2.91%)でもあまり変わらない。これは、追加関税により価格が上昇しても米国企業が中国からの輸入に頼らざるを得ない財が一定程度存在し、中国の対米輸出が完全に蒸発することは想定できないためだ。

◆こうした中、中国国務院新聞弁公室は4月9日、「中国と米国の経済貿易関係に関するいくつかの問題に対する中国の立場」と題する白書を発表した。米国への批判を展開しつつも、問題は話し合いと交渉によって解決すべきであるなどとしている。交渉(ディール)の余地があることを示唆しており、今後の動向が注目される。

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