サマリー
◆2021年12月8日~10日に、2022年の経済政策運営の重点を決定する中央経済工作会議が北京で開催された。会議は、中国経済の現状を「需要収縮、供給制約、(成長)期待低下」の三重の圧力にさらされていると認識し、2022年はマクロ経済の安定を何よりも重視するとした。
◆2022年下半期(恐らく10月か11月)に、5年に1度の党大会の開催が予定されている。2023年3月の国家機構の人事と併せて、昇進の大チャンスが訪れることから、政績(政治的成績)引き上げのため、党・国家機構の幹部には担当地域や部門のパフォーマンスを良くしようとの意向が働きやすくなる。これが、党大会開催年の実質GDP成長率は前年を上回ることが多いことの背景となっている。
◆2020年と2021年はコロナ禍による景気落ち込みとその後の急回復を反映して、成長率は上下に大きくぶれる。この影響を排除するために、2020年と2021年は2年平均で見るべきなのであろう。大和総研は、2年平均は5.1%程度(2020年の実績は前年比2.3%、2021年の予想は同8.0%)と想定している。ある政府系シンクタンクは2022年の実質GDP成長率の政府目標を同5.0%以上(同シンクタンクの予想は同5.3%)とすることを提案している。2022年の成長率は、2020年と2021年の平均と比べてやや加速するとみているのであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:関税引き下げを受け、見通しを上方修正
25年は3.9%→4.8%、26年は4.0%→4.2%に上方修正
2025年05月23日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
-
中国:トランプ関税2.0で25年は3.9%成長へ
迂回輸出は当面温存。「トランプ関税2.0」の長期化は想定せず
2025年04月23日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日