中国:預金準備率引き下げが意図するもの

景気下振れ懸念に対応。中小・零細企業の資金繰りをサポート

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2021年07月12日

サマリー

◆中国人民銀行は7月15日に、預金準備率を0.5%引き下げ、中小・零細企業の資金繰りをサポートする。今回の引き下げにより、加重平均の預金準備率は9.4%から8.9%となり、預金の約1兆元(約17兆円)分が「解凍」され、貸出等に充当することが可能になる。

◆今回の預金準備率引き下げの声明文の中で、中国人民銀行は「ばらまきはしない」とした。中小・零細企業の資金繰り改善などのサポートは強化するが、一方で、金融緩和資金が不動産投資・投機などに流入しないよう、監視を強化することになろう。中小・零細企業向けには他のサポートも動員しつつ、さらなる預金準備率の引き下げについては、当面、状況を慎重に見極めようとするのではないか。

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