サマリー
◆「国民経済・社会発展第14次5カ年計画と2035年の長期目標要綱(草案)」によると、今後5年間の実質GDP成長率は「合理的な範囲を維持する」とされ、具体的な数字目標は設定されなかった。「中長期計画の目標は経済構造の最適化や、発展の質・効率の向上に重点を置く」(習近平総書記)という方針によって成長率目標を敢えて設定しなかったのであれば、過剰投資の是正や金融リスクの低減、環境負荷の軽減の観点からプラスに評価することが可能であろう。
◆その一方で、米中摩擦の激化と長期化による不透明性や不確実性の増大、あるいは先進国へのキャッチアップがある程度進んだことによる成長力の低下から、中長期の成長率目標を設定し、それを達成することが困難になっているという事情も大きいと思われる。政策運営の舵取りはますます難しくなろう。
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