サマリー
◆中国経済は2020年1月~2月をボトムに緩やかに改善している。固定資産投資は1月~2月の前年同期比24.5%減(以下、変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)から1月~5月は6.3%減にマイナス幅が縮小し、5月単月ではプラス転換を果たした。牽引役はインフラ投資と不動産開発投資である。一方で、自動車販売を除き、消費の戻りはやや鈍い。飲食店では1テーブル当たりの使用人数制限はかなり緩み、賑わいを取り戻しつつあると聞くが、5月のレストラン収入は2桁の減少が続いた。
◆大和総研による2020年、2021年の中国経済見通しに変更はない。2020年は年後半に成長率はプラスに転換しようが、年間の成長率はゼロ近傍となろう。2021年は7.8%程度と予想するが、これは2020年がかつてない低成長にとどまる反動によるものである。2020年、2021年の実質成長率は平均で3.9%と、コロナ前に当面の巡航速度とされた6%程度を大きく下回ることになろう。ウィズコロナの中国経済は緩やかな回復が想定される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:力不足、あるいは迷走する政策と景気減速
依然不透明なトランプ関税2.0の行方
2025年08月22日
-
中国:年後半減速も2025年は5%前後を達成へ
不動産不況、需要先食い、トランプ関税2.0の行方
2025年07月22日
-
中国:内巻(破滅的競争)と上乗せ関税の行方
追加関税大幅引き下げでも製造業PMIは50割れが続く
2025年06月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日