サマリー
中国が2020年に小康(ややゆとりのある)社会の全面的完成を目指す上で、克服が必要な「三大堅塁攻略戦」のうち最難関は「金融リスクの防止・解消」であるが、金融リスクはむしろ増大している。
2020年に中国政府がなすべきことの一つは景気減速をもたらした「民退」の改善、すなわち民営企業へのサポート強化であり、もう一つは国有企業の債務残高をこれ以上大きく増やさないことである。
習近平政権は、2017年10月の第19回党大会において、経済の「中高速成長」を放棄し、「質の高い発展」を志向することを宣言した。これは成長率が多少低下したとしても、過剰投資とそれを支えた過剰債務問題などの緩和・改善に本格的に取り組む意志の表れであったはずである。
経済センサスによるGDP遡及修正が行われれば、2020年に2010年比でGDPを実質で2倍にする計画を達成するハードルは下がると想定される。その分、公共投資を無理に増やす必要性は低下するかもしれない。2020年が金融リスクの低減を内含する「質の高い発展」への再スタートの年となるかにも注目したい。

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