サマリー
◆国家統計局によると、2019年7月~9月の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.0%(以下、変化率は前年同月比、前年同期比、前年比)と、1月~3月の6.4%、4月~6月の6.2%から低下した。1月~9月の実質GDP成長率は6.2%となり、年間の政府目標である6.0%~6.5%の範囲内にとどまっている。計算上は10月~12月は5.4%で年間6.0%の実質成長が可能であり、政府目標達成の可能性は高い。
◆10月10日、11日の米中閣僚級協議では、中国が米国からの農産物輸入を大幅に増やし、為替政策の透明性を高めることなどで部分的な合意に達した。米国は中国に対する為替操作国認定の解除を検討し、10月15日に予定されていた中国からの輸入品2,500億ドル分に対する追加関税率の引き上げ(25%⇒30%)を先送りにした。今後は、11月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)における米中首脳会談で合意文書に署名がなされるか、そして12月15日に予定される第4弾(保留分)の追加関税賦課が回避されるかが注目される。米中摩擦問題が「凪」の時に、中国が景気テコ入れ策を本格化すれば、底入れ期待が高まることになろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:力不足、あるいは迷走する政策と景気減速
依然不透明なトランプ関税2.0の行方
2025年08月22日
-
中国:年後半減速も2025年は5%前後を達成へ
不動産不況、需要先食い、トランプ関税2.0の行方
2025年07月22日
-
中国:内巻(破滅的競争)と上乗せ関税の行方
追加関税大幅引き下げでも製造業PMIは50割れが続く
2025年06月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日