サマリー
2018 年5月の中国・李克強総理の来日、10 月の安倍晋三総理の訪中は、それぞれ6年ぶり、7年ぶりの両国首脳による公式訪問となった。戦後最悪といわれた日中関係は劇的に改善し、第三国における日中民間経済協力や金融協力などで大きな進展があった。第三国における日中民間経済協力は、開放性、透明性、経済性、財政の健全性の4条件を遵守することで、西側諸国を中心に批判の多い、中国の「一帯一路」構想と一線を画そうとしている。
中国による日本の位置付けの変化には、習近平氏の権力基盤の強化と、米中関係の悪化という政治的な背景がある。この背景が崩れれば揺り戻しも想定されるなど、日中関係の基盤は脆弱である。日本の経済界、企業の対応としては、揺り戻しのリスクを想定しつつ、①関係が良好な間に経済面では中国からできるだけ良い条件や譲歩を引き出し、ビジネス環境の改善を図ること、②特に、省エネ・環境といった従来「協力」が中心であったプロジェクト等では、しっかりと利益を上げていくこと、③関係が良好な中でも、中国への依存度をいたずらに高めることを回避すること—などが肝要になるのではないか。

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