サマリー
◆5月単月の社会資金調達金額のネットの増減額は、委託貸出、信託貸出、未割引の銀行引受手形、企業債券が純減(回収・償還超過)となり、シャドーバンキング経由の資金調達が極端に抑制されたことが示されている。こうした状況が続けば、小型・零細企業は資金調達難に陥り、資金繰りの悪化から企業倒産が増加する可能性がある。これを回避するために、中国人民銀行は小型・零細企業向け貸出の増加に向けたサポートを強化している。
◆米中が貿易戦争に突入する事態が回避されるとの安堵感が広がったのも束の間、米トランプ政権は知的財産権侵害への制裁として中国からの輸入品500億米ドル分に25%の追加関税をかけると表明した。6月15日にはそのリストが発表され、うち340億米ドル分は7月6日に発動する。さらに、米トランプ大統領は6月18日、新たに2,000億米ドル分に10%の追加関税をかけることを検討しているとした。それぞれに対して中国は即座に対抗措置を講じる構えである。米国の狙いは単に貿易不均衡の是正だけではなく、ハイテク面での優位性を維持・強化することにある。7月6日までに何らかの取引が行われ、発動が回避される可能性は残っているが、これで話は終わりにはなるまい。米中摩擦の本質はハイテク覇権争いであり、この問題は形を変えて、さらに長期化・複雑化していく可能性が高い。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国経済見通し:不動産不況、脱却はまだ先
住宅完成後販売への移行は◎。一段と悪化する内需と堅調な外需
2026年09月24日
-
中国:注目の6つのネットワークと内巻の影
新型電力、計算力、新世代通信で世界を席巻か?
2026年09月24日
-
中国:不動産不況脱却に真っ当な政策を発表
「工事中断問題」回避のため「完成後販売」への移行を推進
2026年09月02日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

