サマリー
◆2017年10月18日~24日に開催された中国共産党第19回全国代表大会(党大会)は、最終日に党規約の修正案を承認し、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」が、行動指針として明記された。習近平氏は現指導部の中で別格の扱いとなる。一方で、注目されていた「党主席」ポストの復活はなかった。
◆10月25日に開催された第19期中央委員会第1回全体会議(一中全会)で、新指導部が選出された。「ポスト習近平」の不在は、今後、習近平総書記が内規の引退年齢引き上げを根回しし、3期目続投を図るための布石であるのかもしれない。
◆2018年3月の全国人民代表大会(全人代)で国務院(内閣)の人事が確定する。経済面で注目されるのは、習近平総書記の経済ブレーンである劉鶴氏の処遇である。中国共産党は2013年11月に、今後の改革の青写真を発表したが、これは劉鶴氏が起草の中心メンバーであったとされる。青写真では、過剰生産能力と新規債務増加の抑制、さらには人々の健康状態を政績(政治的な成績)表評価項目の重点として新たに加え、持続可能な成長を目指した政策を打ち出すなど、ポジティブに評価できる面も多かった。劉鶴氏が今後、どのような役割を担い、政策を実行していくのか、大いに注目されよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国経済見通し:内需不振で強まる減速傾向
2026年は自動車販売台数も急減速(あるいは減少)か
2025年09月24日
-
中国:力不足、あるいは迷走する政策と景気減速
依然不透明なトランプ関税2.0の行方
2025年08月22日
-
中国:年後半減速も2025年は5%前後を達成へ
不動産不況、需要先食い、トランプ関税2.0の行方
2025年07月22日
最新のレポート・コラム
-
働く低所得者の負担を軽減する「社会保険料還付付き税額控除」の提案
追加財政負担なしで課税最低限(年収の壁)178万円達成も可能
2025年10月10日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
-
「インパクトを考慮した投資」は「インパクト投資」か?
両者は別物だが、共にインパクトを生むことに変わりはない
2025年10月09日
-
一部の地域は企業関連で改善の兆し~物価高・海外動向・新政権の政策を注視
2025年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年10月08日
-
政治不安が続くアジア新興国、脆弱な中間層に配慮した政策を
2025年10月10日
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日