サマリー
◆2016年12月14日~16日に中央経済工作会議が開かれた。2017年の経済運営は「安定」が最重視される。2017年秋には、今後5年間の国家の基本方針を決定する最重要会議である党大会が開催される。成長率を大きく下振れさせ、社会の安定を損ないかねない大胆な改革は先送りされ、経済運営は安定を最優先にせざるを得ない。
◆2017年の金融政策は穏健中立とされ、これまでの穏健に「中立」が加えられた。穏健とは若干の引き締めから若干の緩和までを含む幅広い概念であるが、穏健「中立」は、やや緩和気味に振れていた金融政策を本来的な意味の「中立」に戻すことを意味している。住宅価格高騰といった資産バブルを抑制するには、過剰な流動性は抑えなければならない一方で、経済の下振れ圧力は依然として大きく、ある程度の流動性は確保しなければならない、ということなのだろう。
◆中央経済工作会議で示された「住宅は住むためのものであり、投資・投機の対象ではない」というフレーズは、中国政府が本気で住宅価格抑制に取り組む際に使われる常套句であり、住宅市場のモメンタムは低下しよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:来年も消費拡大を最優先だが前途多難
さらに強化した積極的な財政政策・適度に緩和的な金融政策を継続
2025年12月12日
-
中国:四中全会、関税、そして日中関係悪化
米関税下げで2026年の経済見通しを上方修正、ただし内需は厳しい
2025年11月25日
-
【更新版】中国:100%関税回避も正念場はこれから
具体的な進展は「フェンタニル関税」の10%引き下げにとどまる
2025年11月04日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

