サマリー
◆国家統計局によると、2016年4月~6月の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.7%と、1月~3月の同6.7%から横這いであった。
◆1月~6月の実質小売売上は前年同期比9.7%増(1月~3月も同9.7%増)と、2015年の前年比10.6%増からは減速した。国民一人当たり実質可処分所得は2014年の同8.0%増から、2015年は同7.4%増、そして2016年1月~6月は同6.5%増へと伸びが低下した。実質可処分所得の伸びが抑制される状況では、消費の加速はなかなか難しい。
◆1月~6月の固定資産投資は前年同期比9.0%増と、2015年の前年比10.0%増から減速した。1月~3月には同10.7%増へ回復しており、そこからは1.7%ポイントの低下である。中国の固定資産投資は過度なほどまでにインフラ投資への依存を高めているが、これだけで全体を支えることは難しく、当面、固定資産投資は減速が続くことになろう。
◆輸出入(米ドル建て)を1月~3月、4月~6月に分けて見ると、輸出は前年同期比10.1%減⇒同3.9%減、輸入は同13.5%減⇒同6.7%減と、マイナス幅は縮小している。輸出入は最悪期を脱した可能性が高い。ただし、輸出先の主要先進国の景気回復は緩やかなものにとどまり、中国からの輸出が大きく改善していく状況にはない。
◆結局のところ、消費は底堅い推移は期待できるが、景気を底入れ・反転させていくには力不足であろう。固定資産投資は当面の間、減速が続く可能性が高い。輸出は最悪期を脱した可能性が高いものの、今後、大きく改善していく状況にはない。2016年の実質GDP成長率は前年比6.6%(従来の予想は同6.8%)、2017年は同6.4%(同6.5%)程度となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:26年1Qは予想外の堅調で5%成長
ただし、中東情勢緊迫長期化なら政府目標4.5%~5%成長は困難に
2026年04月17日
-
中国:堅調スタートも持続性には疑問符
不動産不況、需要先食いのツケ、中東情勢緊迫化
2026年03月24日
-
中国:第15次5カ年計画を読み解く
成長率目標は設定されず。数値目標は安全保障の優先度上昇を示唆
2026年03月16日
最新のレポート・コラム
-
中国:26年1Qは予想外の堅調で5%成長
ただし、中東情勢緊迫長期化なら政府目標4.5%~5%成長は困難に
2026年04月17日
-
原油高の国内への波及経路と価格転嫁率を踏まえた消費者物価への影響
原油・天然ガス・石炭価格の10%上昇は物価を最大約0.3%押し上げ
2026年04月17日
-
令和8年金商法等改正法案 有価証券に関する不公正取引規制等の見直し
市場制度ワーキング・グループの提言がそのまま反映される
2026年04月17日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、円安・ドル高が止まらないのか?
中東情勢の混乱が続く中、円安と物価高・実質賃金低下の悪循環が継続するリスク
2026年04月16日
-
ホルムズ海峡封鎖で変わる世界地図—改めて問われる「成長投資」とは?
2026年04月17日
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

