サマリー
◆中国の株価が暴落している。代表的な株価指数である上海総合株価指数は、8月25日に前日比7.6%安の2,964.97ポイントで引けた。6月12日に付けた年初来高値5,166.35ポイントからは42.6%の暴落である。年初からの上昇分は全て失われた。
◆一部の投資家が抱いていた「お上が何とかしてくれる」との期待は、「株価対策が水泡に帰しただけでなく、これまでの景気下支え策さえも効かないのではないか」という株価対策への失望や政府の景気対策の効果への疑念に変わったのである。
◆8月25日夜、中国人民銀行による追加金融緩和策が発表された。8月26日に1年物貸出基準金利は0.25%引き下げられて4.6%になり、9月6日に大手行の預金準備率は0.5%引き下げられて18.0%となる。もちろん、これが株価反発の特効薬になるとは思えない。
◆しかし、中国政府の景気に対するコントロールが機能不全に陥っているとの見方には与しない。足元で住宅販売金額が急増しているのは、2014年11月以降の本格的な金融緩和により住宅ローン金利が低下したことに加え、2015年3月末の短期での住宅売買や二重ローンを容認する住宅市場テコ入れ策が住宅購入意欲を刺激したことが大きい。住宅販売と不動産開発投資のタイムラグは6ヵ月~9ヵ月であり、これまで急減速を余儀なくされてきた不動産開発投資は、近いうちに底打ちして、回復していく可能性が高い。
◆これから懸念されるのは、株価が下げ止まらないことでセンチメントが悪化し、実体経済に悪影響を及ぼすことである。市場に直接的に関与する株価対策が短期的にはともかく持続的には効かないことは、過去の株価調整局面で既に経験済みである。それにコストを費やすのではなく、株価下落のマイナスの影響を相殺する景気対策の強化に専念することの重要度が増しているのではないか。
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