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中国の金融政策の現状と問題点、必要とされる将来への備え

『大和総研調査季報』 2015年春季号(Vol.18)掲載

2015年06月01日

経済調査部 主席研究員 齋藤 尚登

サマリー

中国人民銀行はマーケット機能を重視した金融政策体系の構築に取り組んできたが、それでもなお中国で最も有効な金融政策は窓口指導や貸出総量規制である状況に変わりはない。


足元の景気下振れリスクの増大に対応するため、中国は金融緩和を実施している。中小・零細企業向けの貸出を増やすという中国人民銀行の政策的意図を実現するために、窓口指導や貸出増加指示など行政指導的な政策が実施されようが、こうした貸出を行政指導によって増やせば、貸出の質が劣化し、将来的な不良債権が増えるリスクが高まることには注意が必要であろう。


これまで、窓口指導や貸出総量規制が効果を発揮してきたのは、潜在的な資金需要が大きいなか、供給サイド(銀行)の行動を変えることが有効な金融政策手段であったためである。しかし、中国の成長性が中長期的に一段と低下し、資金需要が大きく減っていけば、この前提は大きく崩れる。例えば、景気刺激を目的に、供給サイド(銀行)へいくら働きかけても需要サイド(経済、企業)のニーズがなければ、金融緩和策が効果を発揮できないことは、日本の経験が示す通りである。中国が今からその研究を深め、将来に備えるのに、決して早すぎることはあるまい。


大和総研調査季報 2018年7月夏季号Vol.31

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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