サマリー
◆2015年1月~3月の実質GDP成長率は前年同期比7.0%と、6年ぶりの低い伸びとなったが、これはあくまでも平均である。地方別には遼寧省同1.9%、山西省同2.5%など重工業依存度や資源・素材依存度の高い一部地方の景気は失速といえる状況に落ち込んでいる。
◆その後も中国の景気は一段と減速している。2015年1月~4月の固定資産投資は前年同期比12.0%増と、1月~3月の同13.5%増からも減速。4月の実質小売売上は前年同月比9.9%増と、相対的に堅調だった消費にも減速感がでてきた。実質小売売上の伸びが10%を割り込んだのは、旧正月の時期のずれの影響を除けば、2004年10月以来となる。
◆景気下支えを目的に、中国人民銀行による金融緩和は本格化しているが、大手行の預金準備率は18.5%と高く、追加引き下げ余地は大きい。
◆地方政府融資平台のプロジェクトについては、5月15日に財政部、中国人民銀行、中国銀行業監督管理委員会が、融資継続を指示する旨の「意見」を発表。その内容をみると、建設プロジェクトの継続が最優先され、銀行融資の健全性維持は脇に置かれた感が強い。
◆景気下振れリスクは依然として高く、今後も必死の下支えが続こう。少なくとも2014年秋までは、無駄な投資と借金を抑制し、産業構造の高度化や成長の質的向上を目指すという明確な政策意図を持った景気下支え策が実施されてきたが、下振れリスクが高まるにつれて、改革による質的向上というよりも、景気底割れ回避が前面に打ち出されるようになってきた。投資・投機の増大を容認した住宅市場のテコ入れ策然り、地方政府融資平台プロジェクトの継続最優先然りである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:消費拡大15次5カ年計画を読み解く
政府は低空飛行の継続を想定か。構造問題への処方箋は書かれず
2026年08月03日
-
中国:政治の季節と景気テコ入れ策の示唆
政治局会議開催。綱紀粛正強化による経済活動の一部委縮懸念
2026年07月31日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

