サマリー
◆国家発展改革委員会の「2014年の国民経済・社会発展計画の執行状況と2015年の国民経済・社会発展計画」によると、2015年の固定資産投資目標は前年比15.0%増と、2014年実績である同15.7%増を下回る想定である。一方、小売売上は2014年実績の同12.0%増⇒2015年目標は同13.0%増へと伸びの加速が計画されている(いずれも名目)。恐らく、中国政府は投資に過度に依存した発展パターンからの決別と、消費主導の持続的安定成長に移行する政策意図をより鮮明にしようとしているのであろう。ただし、2015年1月~2月の固定資産投資は前年同期比13.9%増、小売売上は同10.7%増であり、このままでは2014年に続き、2015年も目標を達成するのは難しい。
◆全人代閉幕後の記者会見で李克強首相は、「景気が減速し、雇用や収入に悪影響を与えるなど、合理的範囲の下限に近付けば、政策を安定させ、中国経済に対する市場の長期的予想を安定させると同時に、分野を限定した下支えの度合いを強めることで、市場のコンフィデンスを安定させる。我々(中国政府)はここ数年、短期的な強力な刺激策を採用しておらず、政策運用の余地は比較的大きく、『道具箱』の中の道具は比較的多い」などと述べた。中国政府が経済運営上、最も重視する雇用の悪化を招きかねない景気下振れを回避するには、さらに強力な政策手段の用意があるということなのだろう。
◆2015年の政府成長率目標は7%前後に引き下げられた。ハードルは下がったが、目標達成の難度はむしろ上がっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:26年1Qは予想外の堅調で5%成長
ただし、中東情勢緊迫長期化なら政府目標4.5%~5%成長は困難に
2026年04月17日
-
中国:堅調スタートも持続性には疑問符
不動産不況、需要先食いのツケ、中東情勢緊迫化
2026年03月24日
-
中国:第15次5カ年計画を読み解く
成長率目標は設定されず。数値目標は安全保障の優先度上昇を示唆
2026年03月16日
最新のレポート・コラム
-
中国:26年1Qは予想外の堅調で5%成長
ただし、中東情勢緊迫長期化なら政府目標4.5%~5%成長は困難に
2026年04月17日
-
原油高の国内への波及経路と価格転嫁率を踏まえた消費者物価への影響
原油・天然ガス・石炭価格の10%上昇は物価を最大約0.3%押し上げ
2026年04月17日
-
令和8年金商法等改正法案 有価証券に関する不公正取引規制等の見直し
市場制度ワーキング・グループの提言がそのまま反映される
2026年04月17日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、円安・ドル高が止まらないのか?
中東情勢の混乱が続く中、円安と物価高・実質賃金低下の悪循環が継続するリスク
2026年04月16日
-
ホルムズ海峡封鎖で変わる世界地図—改めて問われる「成長投資」とは?
2026年04月17日
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

