サマリー
◆2014年1月の社会資金調達額(社会融資規模)は前年同月比1.6%の増加にとどまった。銀行貸出(人民元貸出増加額+外貨貸出増加額)と銀行貸出以外という括りでは、前者は前年同月比18.1%増だったのに対して、後者は同14.0%減と対照的な動きとなった。銀行貸出以外では、銀行引受手形や1月の信託商品のデフォルト騒動を嫌気した信託貸出、企業債券による資金調達が大きく落ち込んでいる。大型国有企業などは早めに銀行借入を手当てした一方で、銀行貸出へのアクセスが限定的な中小企業などは資金調達難に直面している可能性が高い。
◆2014年2月20日に発表された2月のHSBC製造業PMIは48.3と、2ヵ月連続で拡大と縮小の分岐点である50を下回り、一段と低下した。HSBCのPMIは中小企業のカバレッジが大きく、2月のさらなる悪化は資金調達難を含めた中小企業の苦境を示唆している可能性があろう。1月末の信託商品のデフォルト騒ぎは、最終的には「損失補てん」が行われ、元本は保証された。さらに、いくつかの信託商品にデフォルト懸念がくすぶっているが、重大なモラルハザードの発生に目をつぶってでも、金融の安定を最優先して、少なくとも当面は「損失補てん」が続けられるのではないか。これは、中小企業の資金調達手段の一つとなっている、理財商品や信託商品の雪崩式の解約を避けることにつながる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米中貿易戦争、勝者は中国
伝家の宝刀・レアアース、輸出先の分散化、迂回輸出
2026年10月02日
-
中国政府が景気テコ入れ策を発表
再貸出限度額の増額、住宅ローンへの1%利子補給
2026年10月01日
-
中国経済見通し:不動産不況、脱却はまだ先
住宅完成後販売への移行は◎。一段と悪化する内需と堅調な外需
2026年09月24日
最新のレポート・コラム
-
一括取得型自己株式取得(ASR)入門
ASRに関する基本的な事項をQ&A形式で解説
2026年10月16日
-
「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」における金融経済教育に関する記述
金融経済教育関連に限ると、大幅な拡充は行われない方向性か
2026年10月16日
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
なぜ企業は同じ情報を何度も提出しなければならないのか
公的統計のデジタル化を問う①-負担軽減の「効果」
2026年10月16日
-
成長投資の先にあるもの ~AI時代に問われる「組織能力」~
2026年10月16日
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

