サマリー
◆3月5日から開催される全国人民代表大会(全人代=日本の国会に相当)を前に、各省・自治区・直轄市では地方の人民代表大会が開かれ、2014年の実質経済成長率目標などが発表されている。2014年の実質経済成長率目標は、2013年の目標との比較では広東省が引き上げた以外は、据え置きが8地方、引き下げが22地方と、多くの地方で引き下げられている。
◆2008年11月の4兆元の景気刺激策の発動を機に、中国の経済成長は「西高東低」と表現された。これは、固定資産投資の急増を牽引役に中西部の実質経済成長率が相対的に高くなったことを表す。しかし、2014年の固定資産投資伸び率目標は、東部の広東省と天津市が引き上げられた一方で、中西部の一部で大きく引き下げられた結果、これまでのような明確な「西高東低」ではなくなっている。「内内投資」と呼ばれる、東部沿海地域で競争力を失った労働集約的な産業の中西部への移転や、東西格差縮小のための中西部への重点的なインフラ投資が「西高東低」の源泉であるが、重厚長大・資源依存の従来型産業の不振が「西高」の勢いを削ごうとしている。
◆結局のところ、地方政府の目標設定からは、重厚長大・資源依存型の中西部の一部地方を中心に、投資・消費の減速が示唆される。2014年の中国の実質GDP成長率は2013年から一段と低下するとみるのが自然であろう。大和総研では2014年は7.2%成長と、2013年の7.7%成長からの減速を想定している。しかし、成長率鈍化は悪い話ではない。無駄な借金や投資の急増が回避できるのであれば、持続的安定成長の観点からはむしろ肯定的な評価が可能であろう。
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